激高仮面 ( げっこうかめん )

時々、激高して書く仮面ライター 

誰も言わない大谷翔平選手のこと

 大谷翔平、子どもから高齢者まで誰もがというほどよく知っている、そして何をやっても高評価される、こんな人物はかなり珍しい。そういう私も、エンジェルスの試合の放映に合わせた暮らしになったり、投打の二刀流の日などはいつトイレに駆け込むか、そのタイミングをはかっていたりする始末だ。特に外出を止められたコロナの陰鬱な日々は、彼の特大ホームランにどんなに元気づけられテンションアップさせてもらったことだろう。

 そんな彼だから、否定的に書かれたり、報道されたりすることがない。そうだろう、WBCでもメジャーリーグでも対戦する選手すら何か言葉を交わしたくて笑顔で寄ってくるくらいなのだから。

 そういえばWBC参加の時のことだ。ダルビッシュ選手に続いて大谷選手もプライベートジェット機で日本にやってきた。おう、すごいなあ、日本のスポーツ選手もこんなことができる時代になったのかと思った。大谷選手の乗ってきたジェットはダルビッシュ選手のより少し大きめ、もしかすると鈴木誠也選手(直前の怪我で辞退)と一緒に来る予定だったのかな。一般の飛行機では周囲の大騒ぎもあるだろうし、それは自分だけではなく乗客の方々への配慮も必要だったのだろう、と考えていた。

 でもね、こんな思いが出てきたんだ。

 あのプライベートジェットって、どれだけガソリンを消費してどれだけ二酸化炭素を排出するのだろう?

 以前だったら大金持ちのセレブが自分の金で支払うんだからな、なんて思って終わりだったろう。だが今は深刻な地球温暖化、そしてSDGsの時代だ。アメリカでは有名な大富豪やプロボクサー、ラッパーなどのプライベートジェットの使用が非難されている記事をみかける。中には10数分で行ける距離でも使用していたりするそうだから。

 飛行機の移動は多くの二酸化炭素を排出する。飛行機の大きさにもよるが、一人が1年間に排出する二酸化炭素を40分の飛行で排出するくらいという記事もある。富裕層の二酸化炭素排出量が多いことは知られていたが、超富裕層になるとさらに大きな数値になる。世界でわずか1%の超富裕層は、一人当たりの排出量はパリ協定の目標の30倍で、1990年には世界の総排出量の13%、2030年には16%を占めるそうだ。

 さらに近頃は民間の宇宙旅行なるものがある。超富裕層が11分間飛行すると、貧しい10億人が生涯排出する量を超えるとのこと!!!

 気候変動対策としてSDGsが盛んに叫ばれ、私たちには次のことが要求されている。

 ①節電・節水 ②食品ロスをなくす ➂ゴミ減量・分別 ④ペーパーレス ⑤再生エネルギー使用 ⑥車の移動削減 ⑦マイバック・マイボトル使用 ⑧簡易包装 ⑨必要以上に買わない・・・等々。

 私たち庶民の一生懸命でつつましやかな努力と、富裕層・超富裕層の行動とのこの大きな落差は何だ!

 SDGsは豊かな人から、豊かな国からまず始めよ、と叫びたい。

 プライベートジェット使用、再考の時かもね、大好きな大谷選手も。