激高仮面 ( げっこうかめん )

時々、激高して書く仮面ライター 

 「これって私の感想です。」

 

 小学生の流行語2022年1位は「それってあなたの感想ですよね?」だったそうだ。(ベネッセ発表) あの、ひろゆき氏の言葉だ。小学生って敏感だな、今までと違う言い回しや、変だけど武器になりそうな言葉や、少しのことで相手を上回れそうな言葉を手にするのが早い。大人は、ちょっと嫌な感じがしたり、人によっては痛快感を持ったりと、いろいろ違った感じ方をしているのだけど。

 私はひろゆき氏のような「論破」には関心がなく、ここでもそういうレベルで書いていないので、「それってあなたの感想でしょ?」と煽られても、「はい、そうです。感想ですよ。」と言うだけだ。さまざまな思い、意見、訴え・・・、どうしても言いたい事を書いているのだから。

 そんな感じで今回はテレビの話をしようと思う。つまらなくなってきたテレビの前で、ボソボソ呟いていることをそのままに。

 クイズ番組はこの頃見ないんだ。出演者が映るたびに「○○大学卒」なんて表示してくるあの時代遅れの感性が嫌いだ。学歴表示にどんな意味をこめているの? 「インテリタレント軍団」とか「有名大学卒チーム」とかだ。以前は「東大王」なんてひどいものがあったな。そんな肩書で出てくる出演者も出演者だ。そんなくくりが恥ずかしくないのかい?

 そう言えば、これに似たのがスポーツ実況番組でも以前あった。選手をいちいちこんなふうに呼んでいた。「プリンセス・メグ」「パワフル・カナ」「世界最小・最強セッター」「変幻自在・ニッポンの元気印」「ニッポンを救う仕事人」・・・。そう、これはバレーボール選手の場合。勿論選手自身が頼んでいるわけではない、テレビ局の演出だ。ナンカ違うんだな。スポーツの楽しみとか、接し方が。

 人をあるイメージでくくるのは嫌いだ。“私の感想”ですがね。

 スポーツ番組は楽しみなのだが、ビッグイベントになればなるほどテレビ放送はなくなり、DAZN(ダゾーン)等のネット独占有料放送になった。毎月約3000円、年間約36000円の契約をしなくてはならない。私だけでなく子どもたちも、日本選手の活躍するドラマチックな試合を見る機会を失っている。いいのかねえ?

 番組と言えばワイドショーの定型化したスタイルはどうにかならないものか。パネルに用意した文字を隠しつつ小出しして興味を持続させる紙芝居型はいまや各局のお決まりだ。覆った紙をはがしながら予定通りの進行をして予定通りの結論を導いていくのさ。この進行に沿ってコメントするコメンテイターという役割も陳腐になった。せめてその話題に精通している専門家の意見なら違う視点や深まる論議もあるだろうに、たいがいのコメンテーターのお話は、どこかのおじさんおばさんの茶飲み話と変わらない。それをわざわざテレビで言わせているとは、製作がプロフェッショナルじやないんだな。

 バラエティーって多様性という意味だったのに、バラエティ番組は単一・単調。準備のいらない安易な制作が底にある。タレントと言われる方々の毒にも薬にもならない無駄話、忖度丸見えで笑いをとり、内輪の話で盛り上がる、ああ、つまらないモノトニー番組。

 筋書きがないを装う旅番組もひどい。サイコロ転がしてバスに乗ったり、おきまりの居眠りをしたり、迷ったかのように心配させての締めくくり。毎度これとは恐れ入る。グルメ番組では、何を食べても「おいしい」「ジューシー」「歯ごたえがある」「絶妙な味のバランス」が合言葉。たまには「これは嫌い」と言ってみろってんだ。

 これだけ腹を立ててしまったってことは、随分私も見ていたんだな。

 さらに、いやらしいテクニックも編み出した。視聴者の興味を持続させるため、紹介したいものを映しながらその部分だけ隠したり、場面を巻き戻して何度も同じ場面を繰り返す。こんなしょうもないことはもうやめたらいい。 

 てなわけで、近頃テレビが面白くない。