激高仮面 ( げっこうかめん )

時々、激高して書く仮面ライター 

かわいそうな 2000円札

〝やりっぱなし施策〟こう呼びたくなるものが、日本の政治にはある。

 始める時は声高アピール、うまくいけば自己顕示、うまくいかねば知らん顔、というパターンだ。そのうちの一つに、あの2000円札がある。一時はもてはやされたが今じゃ忘れられたかのよう、見かけることもなく話題にもならない。〝ああ、そういえばあったな〟程度かも。でも覚えていますよね。皆さんもどこかにしまいこんで、お持ちかもしれませんよ。 

 1999年小淵恵三首相の発案、翌年2000年の森内閣の時に発行されたのが2000円札だ。沖縄サミットと西暦2000年がきっかけだった。発案時は、便利で数多く流通されると見込んでいたのだろう。当時は大きなニュースだった。アメリカの20ドル紙幣の真似もあったらしい。

 このお札は沖縄サミット記念の意味もあり、首里城守礼の門が描かれていることはよく知られている。沖縄県では他県と違い2000円札を使える自販機が多く、ATMでの引き出しの際も「2000円札不要」のボタンを押さないと2000円札が出てくるそうだ。このように沖縄県では流通の工夫もあり、普通に流通しているという。

 しかし、この紙幣は2000年度と2003年度に製造されただけ、その後の製造はない。つまり他県では使われない、流通していないということだ。全国で10億枚の流通を予定していたが10分の1ほどに留まり、2010年頃からは日銀金庫に大量に保管状態になっているそうだ。

 このことに対しての政府なり、日銀なりの見解はあったのだろうか? 私は見聞きしたことがない。もし、なかったのなら、ホラネ、総括なし・反省なしの知らん顔の〝やりっぱなし施策〟でしょ。

 2000円札守礼門が美しく描かれ、最新のニセ札防止の高度な印刷術を駆使した紙幣だ。日銀保管の紙幣、2000円札をこれからどうするのだろうか。

 こんな替え歌があるのでご紹介する。